本当は1回目の視聴で記事を書くつもりでしたが、レアフィルム狙いで2回目の視聴をしてきました。
フィルムの方は全くのスカでしたが、1度目ではどうにかストーリーを咀嚼して見ていたのが、ネタがわかっていると、楽しむ余裕がでてきて、いやー味わえましたね!
ガチでブルーレイが出たら買おうと思います。
今作は完全に新しいストーリーですので、TVアニメの視聴は必須です。
僕が復習するときに、自分用にまとめたものでよければ、下に掲載しておきます。
以下、TVアニメが猛烈ネタバレします。
1. キュゥべえはダークホース
キュゥべえ ことインキュベーターはかわいらしい外観とは裏腹に、エントロピーが増大して迎える宇宙の死(熱的死)を阻止するために、有史以来、魔法少女を生み出し、利用し続けてきた。魔法少女が絶望により魔女になってしまうときに発生する膨大な相転移エネルギーにより、宇宙の延命をはかることができるが、その魔女を倒すために、新たな魔法少女が生まれるという悲劇の連鎖を繰り返している。
2. 暁美ほむらは時を操る少女
まどかとの出会いをやりなおしたいという希望と引き換えに魔法少女になった ほむらは、キュゥべえの正体を知り、まどかを魔法少女にさせないために、幾度も同じ時を繰り返している。だが、それが仇となって、まどかに結びつく因果を増やし、強力な魔法少女としての素質を宿すことになり、かえってキュゥべえに狙われる事態になっている。
3. 鹿目まどかは宇宙の概念と化す
最強の魔女、ワルプルギュスの夜との戦いのために、ほむらの制止空しく、ついに魔法少女になってしまう まどか。その契約と引き換えた希望とは、これまで魔女となってしまったすべての魔法少女を絶望から解き放ち救済すること。その因果に反した大きすぎる希望のために、宇宙の再構築が行われ、まどか自身は新たな宇宙の概念、円環の理と化してしまった。人間としての まどかを記憶にとどめているのは、ほむらただ一人である。
さて、本編に入ります。ネタバレ注意です。
物語はおなじみの魔法少女5人が揃って、見滝原市で始まります。このシチュエーションは通常の時間軸では存在しなかったし、戦っている敵は、魔女でも魔獣でもなく、ナイトメア。
ちなみに、マミのおっぱいがTVアニメより増されているような気がしますw
視聴者が違和感を覚えていると、すかさず ほむらが気づき始めます。また、ナイトメア周辺の説明はストーリー展開上重要でないので省かれていて、とてもテンポがいいです。
ほむらが異変に気づいてから確信に変わってくると、次第に普段の見滝原市の様子にイヌカレー色が強まっていきます。この遷移の描き方には、画とストーリーが協調しあうというアニメの真骨頂を感じます。
この頃になると、西尾維新の物語シリーズ色も感じられるなぁ、と思っていたら、制作関係者が同じっぽいです。
マミの友達のベベに疑いの目を向け、手痛い尋問をかける ほむら。激怒したマミとの熾烈な戦いが始まります。前半の見せ場の一つですね。
互角の戦いが続きますが、最後に読み違えて捕われる ほむらをなぜか さやかが助け出します。
このことにストーリー上重要な意味があるということには、2度目の視聴で気づきました。実に深く練られていますね。
そして、この偽りの見滝原市を作り出したのが自分であり、円環の理による魔法少女の救済を観測し、最終的には円環の理、つまり まどかを支配するための実験に利用されていることを知る ほむら。まどかには誰も触らせない!と、永遠に自分が絶望から救われる機会を失うことを知りながら、自ら魔女化してしまいます。
そこでTVアニメではなんだかウザい子で終わってしまった さやかと新キャラのベベこと百江なぎさが大活躍して、ほむらを救出します。
実は、ここで ほむらが最後まで救出を拒んでいたことの意味を、僕はまだあまりわかっていません。
ともかく、無事に円環の理(まどか)が ほむらのもとに降りてきて、「待たせちゃってごめんね」。
このセリフ、たまりませんね。声優さんとしては、佐倉杏子の野中藍さんが好きなのですが、さすがは宇宙の概念、本当に本当に優しい声に胸が熱くなります。
と、感慨にふけっている間もなく、今後の まどマギの行方を決める、本作の最重要シーンがあります。
不気味な笑みを浮かべ、迎えにきた円環の理から、人間だった頃の まどかの”記録”だけを引き剝がす ほむら。
ほむらの望みは、まどかとの出会いをやりなおしたいという生易しいものではなく、まどかを独り占めしたいというエゴだったということらしいです。
ソウル・ジェムは濁りを通り越しておぞましい色へと変化し、宇宙は ほむらが「愛」と呼ぶ新しい概念のもとでまたもや再構築されていきます。
ここに至る心象描写は意外なほどサクッと進められ、作者の自慰的な描写は感じられません。もうちょっと詳しくやってくれた方が理解できるような、これ以上やられるとかえって理解が妨げられるような、絶妙なラインで構成されていることが、2度目の視聴ではよくわかりました。
再構築後の見滝原市。ほむらはすべてを記憶にとどめているようですが、再構築を覚えてはいるものの記憶が改変されつつある さやかを除いて、他の魔法少女たちは、すべてを忘れてしまったようです。
まどかも全く覚えていない感じで(人間として)復活していますが、そこはさすがの円環の理。すぐに思い出しそうなそぶりを見せます。
円環の理として、秩序を重んじる まどかと、悪魔としてエゴを拠り所とする ほむら。TVアニメから まどかと ほむらのツートップ感が強かった作品ですが、表と裏、陽と陰のような対立する二つの宇宙の理を軸とした展開に、今後はなっていくのでしょうか。円環の理と焰火の理、みたいなw(「焰」って訓読みで「ほむら」なんですね!)
なんだか、一から新しく別の作品が作れそうなところまでぶっとばしてしまった今作ですが、作り手の相当な力の入れ方を感じることができます。
新キャラとして登場したばかりなのに人気をかっさらっていった百江なぎさとか、まさに別人のように頼りがいが出てきた さやかとか、今後の展開が気になりまくります。
それにしても、はまり込み感は半端なく、僕が一回り程若かったなら、まどマギで中二病を発症してたかもしれませんね。おぞましいwww
長くなりましたが、以下、2ちゃんねる「劇場版魔法少女まどか☆マギカ第79話」からのまとめも読んでください。